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Description

    ダイレクトインターフェイスのハイテクパートナー

    ALPEX Technologies GmbHでは、高性能複合部品製造のための高品質製造機器を専門に取り扱っています。インスブルック近郊のミルス(オーストリア)に拠点を置く同社は、航空機・自動車産業の軽量部品メーカー向け部品加工のスペシャリスト。いずれの業界でも、要件の厳しい依頼は日曜茶飯事です。そんなお客様の要望に応えるため、Alpexでは迅速に対応できて柔軟性のあるパートナーを探していました。そんなパートナーの一社となったのが、ミュンヘン近郊のマルティンスリート(ドイツ)に拠点を置くTebis AGです。

    会社

    Alpex Technologies GmbH

    都道府県

    Mils, オーストリア

    主要課題

    新しいCAMシステムとプロセス・ストラクチャリングの導入

    利点
    • メーカーとのダイレクトなパートナー関係の構築
    • 技術サプライヤー、インプリメンター、コンサルタントとしてのTebis
    • Top CATIA-V5インターフェイス
    分野

    鋳物製造

    金型製造

    航空宇宙産業

    公開済み

    2015

    インタビュイー: トーマス・イェーガー氏, 創設者・経営者

    Tebisのスタッフの仕事ぶりは第一級で、予想をはるかに上回る結果となりました。有言実行とはまさにこのことです。

    トーマス・イェーガー氏, 創設者・経営者, Alpex Technologies GmbH, ミルス(オーストリア), オーストリア

    グローバル化が進んだ今日では、人や貨物が毎日世界中を行き交うようになりました。そして、輸送手段向けには効率よく軽い材料の人気が高まっています。カーボン製の軽量部品は、一つ一つの部品にも厳密な重量制限が課せられている航空機産業では、すでに20年以上も前から採用されています。一方、自動車産業では、カーボン部品はまだまだ初期開発段階にあります。「航空機産業と自動車産業のカーボン部品は、要件も全く異なるまったく別の分野なんです。航空機で重要となるのは規模の大きさと航続距離、それに法定品質・安全要件です。それに対して、自動車の場合は生産個数、自動化、高速生産が鍵となります。それでも、重複する部分もあり、相乗効果もあります。最新の材質についても研究を重ね、自動車産業の大量生産に適した新手法や航空機の改良のために投入できるまでになりました。全体像を把握できてますね」との説明は、Alpexの経営者で共同創設者でもあるトーマス・イェーガー氏(Thomas Jäger)によるもの。製品の発注元は航空機産業が約60%、残りの約40%は自動車産業が占めています。

    探していたカスタムソリューションがここに

    Alpexの生産設備には同社のノウハウと革新技術が詰め込まれています。イタリアのスポーツカーメーカー、ランボルギーニのアヴェンタドール向けに、Alpexではカーボンファイバールーフの自動大量生産用生産ツールを開発。また、Alpexではランボルギーニ向けに、高圧樹脂トランスファー成形法(HP-RTM)によるコンポーネント大量生産のため、このタイプでは世界で初となるスライダー付きツールを開発しました。その際に大きな課題となったのが、高圧樹脂製の射出金型用スライドが付いたツールの気密性を完全に確保することでした。

    このタイプでは世界で初となるスライダー付きツールを使い、HP-RTM手法でランボルギーニのルーフを生産
    このAlpex製鋳型を使用することで、イルクート社では旅客機MS-21の着陸用フラップ部品を生産

    まだ開発段階にあるロシアのイルクートMS-21は、完成すればエアバスA320とボーイング737を脅かす存在になると予想されますが、その功績は大部分がAlpexによるものです。ロシアの航空機メーカー、イルクートにはツインエンジン式中距離機のカーボン製航空機部品、空気ダクト、センターボックス、着陸用フラップ生産のためにAlpexからツールが提供されています。このとき部品を組み立てるために使用されるのが、Alpexが設計したアセンブリー装置です。

    Alpexによって開発・設計されたMS-21補助翼の組立てに使用するAleronアセンブリーツール
    Alpexが製造するA350 XWB着陸用フラップ向けノーズキャップのレイアップツールには熱膨張率の極めて低い鉄とニッケルの合金インバーが使用されているため、180℃でも膨張せず非常に光沢のある仕上がりに − カーボン部品の製造に最適

    着陸用フラップのためのツール全般の開発を主に委託されるAlpexでは、エアバスA350 XWB向けカーボン製着陸用フラップ生産ツール・装置も開発・製造されています。Alpexによって開発された部品製造機器ツール向けの鋳型や治具は、合計すると数百種類にもおよびます。

    信頼性が鍵

    ランボルギーニだけでなく、イルクートやエアバスでも、航空機・自動車産業にかかわらず、Alpexではフルサービスプロバイダーとして開発から製造、アセンブリーまでを請け負い、高い評価を得ています。このため、Alpexの研究開発には当然ながら広大なスペースが必要となります。作業内容は生産シナリオの作成から製造機器の設計、最適化など。作業課題が毎日のように変化するだけでなく、これらのプロセスでは部品も短時間でよく変わります。

    こういった理由から、Alpexは年明けにこれまでのCAD/CAMシステムからTebisへの完全な移行を決断しました。Tebis導入の決め手の一つとなったのが、ダイレクトな関係の構築でした。「CAMソフトウェアプロバイダーとの間には信頼関係が必要なんです。その点Tebisでは、問題が発生するとすぐに誰かが駆け付け、ソリューションを見つけてくれます。これは本当にプライスレスなサービスですよ。販売代理店などをわざわざ通さなくても、いつでもダイレクトにTebisに問い合わせることができ、約束のソリューションはこれまで常に100%実現しています。素晴らしいの一言です」とトーマス・イェーガー氏からも絶賛のコメントをいただいています。

    CAMプロセスを最適化

    CAMプロセスを最適化
    それまでのCAD/CAMシステムから完全にTebisに切り替えるという決断が下されてから、実際にそれが実現するまでに要した期間はわずか3カ月でした。これだけの短期間でAlpexのシステム移行が完了したのには、もちろんTebisインプリメンテーション部の従業員による全力サポートも一役買っています。Tebisの担当者が一定期間Alpexに出向いてCAMスタッフを対象に講習会を開催したり、Tebisソフトウェアの提供とインストール、環境設定を行いました。Tebisへの投資を最大限生かすため、トーマス・イェーガー氏はさらにTebisのプロセスデザイナーに業務を委託。専門家によって発注時の要件に合わせたポストプロセッサーが作成され、現地でセットアップが行われました。また、標準ツールが定義付け後に試験的にTebisツールデータベースに取り込まれ、その後Alpexの従業員によってデータベースに情報が追加されています。さらに、Tebisの従業員はAlpexのCAMプロセス標準化のためにプロセスの背後関係を確認し、基準を設けると同時にCAMテンプレートなどの基礎を構築。最後に情報配信システムの設定とNCドキュメントのセットアップが実施されました。「Tebisのスタッフはみなさん経験豊富でたくさんのご提案をいただき、大きな刺激になりました。おかげで多くを学ぶことができ、早速当社のプロセスに反映させてもらいましたよ」とイェーガー氏は総括。テスト段階を経て、プロジェクトは無事に完了となりました。イェーガー氏からはTebis従業員の仕事に対する姿勢に対し、「とにかく第一級の仕事ぶりで、予想をはるかに超えるサービスでした。有言実行とはまさにこのことです」とのお褒めの言葉をいただいています。

    TebisのCAMワークステーションでエアバスA350 XWB向けノーズキャップのレイアップツールを設計するカイ・マトゥタート氏(Kai Mattutat)

    システムのネットワーク化も万全

    CATIA V5でエアバスA350 XWBの着陸用フラップの設計データを編集する シュテファン・オピッツ氏(Stephan Oppitz)

    Alpexでは製造機器の全部品のうち、実に約60%を自社生産しています。その多くで3D輪郭が使用されているため、Alpexでは5軸加工がフルに実力を発揮。全体の製造準備とNCプログラミングは4台のTebisワークステーションで、部品のデザインはCATIA V5で行われます。イェーガー氏によると「CATIAは航空機産業には欠かせません」とのこと。それだけに、CATIAとCAMシステムを接続する信頼性の高いインターフェイスが鍵となりました。CATIA-V5インターフェイスは以前のシステムよりずっとスムーズにTebisで機能すると、イェーガー氏も大満足されています。Tebisのサービスにはこのような利点もあります。

    今後のことも考えた幅広い製品ポートフォリオ

    製品の品質管理を重視するAlpexですが、いち早いフィードバックや製造段階における効率にも同様に重きが置かれています。イェーガー氏もその点を踏まえ、「技術的なノウハウがしっかりしているTebisには本当にお世話になっています。Tebisは製品ポートフォリオも幅広く、技術サプライヤー、インプリメンター、コンサルタントのすべてを兼ねているんです。最高レベルの技術以外にも、新製品の開発にあたって柔軟かつ迅速な対応が求められ、常にプロセスの改善が必要となる当社にとって、これは非常に重要です。この点ではTebisを完全に信頼していますから」と説明してくださいました。Alpexとしてはデザインと製造準備/NCプログラミング間を結ぶインターフェイスや機械のダウンタイム削減で、さらに性能アップを図りたいとのこと。性能を最大限に活かすため、イェーガー氏はノウハウ習得のために再びTebisカウンセリングを利用しようと考えられているそうです。

    Alpexのアセンブリー部門では現在4台のTebisワークステーションとCATIA接続用
    ダイレクトインターフェイス、同時5軸フライス加工、5軸トリミング加工、マルチセットアップ、シミュレーター、そして2台のビューワステーションが一連の最先端技術とともに導入されています。 近いうちに、Tebisへのサーフェス修正・最適化機能の追加を依頼予定とのことです。

    インスブルック近郊のミルス(オーストリア)に拠点を置くAlpex